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時計の針が12時を指そうとしている頃、早い時間から飲み始め、着々と空き缶を積み重ねていた二人はほどよく酔いが回っていた。
「同窓会さ、学校でやるってかいてあったけど、ちょっと不気味じゃね?」
思い出したように竜介が言う。
「あー…確かに。
別になんか出るってわけじゃねぇけど、夜の学校って気味わりぃよな」
「だろ?
まぁ確かに懐かしいとこはあるけどさ…
うちの中学って結構山奥にあったじゃん?」
「ああ、町自体が田舎だからな」
「やっぱちょっとこぇーよなぁ…」
「は?何、竜介。
もしかしておまえビビってんの?」
竜介の弱気な発言を聞き逃さない勇太は、からかうように言った。
「ちげぇし。
ビビってるわけじゃねぇけど…
ちっ…
まぁいいや…」
竜介は言い返そうとはしたものの、言ったところで余計勇太を愉しませるだけだと思い口をつぐんだ。
勇太はニヤニヤしながらビールを飲む。
「その顔やめろっ!
くそ…
もう寝る!
明日ちゃんと起こせよ!」
竜介はそう言うと勇太のベッドに横になり、頭の先まで布団を被った。
竜介をからかってご機嫌の勇太は、そんな竜介を無視しベッドの上に2枚置かれた返信ハガキの出席に○をつけると、たんすから毛布を取り出し床に寝転がった。
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