第13章:解き明かされる真実

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中島を殺した私は、どこに向かったか。 答えは体育用具室。 すぐに第2の細工を施さなきゃならなかったし、あっちも始末してしまいたかったからね。 私は、閉じ込められた準備室の窓から抜け出して助けを求めに来た、と言ってそこへ言ったわ。 教室に行ったら、中島が死んでいたということも伝えた。 動揺させたほうが都合が良かったから。 原田はその時既に死に掛けていた。 一刻も早く薬が必要だった。 私は、薬を取りに戻る、と言いそこから離れた。 扉の隙間から顔を出していたのは、佐伯勇太と遠藤崇だけだったけど、吉岡優樹も原田蓮も確かにそこにいた。 もちろん弓乃の死体もね。 その時にね、ある仕掛けをしてきたの。 洗剤の混ぜるな危険って知ってるでしょ? 塩素系と酸性のは混ぜたらいけませんってやつ。 あれに似たようなことをして扉の陰においてきたの。 洗剤なんかよりもっと強力なやつをね。 2つめの細工のいいところはね、開いた状態のまま閉まらなくなるところ。 ほぼ密室の空間の中に、扉の外から悪性の空気が流れ込む。 もちろん匂いも何もないから気づかない。 原田にとっては致命的よ。 本当はもう少し待ってからやる予定だったんだけど、中島のこともあったから予定を繰り上げたの。 第一にね、あの扉を壊されるってことはほとんど皆無だと思っていたから、私も焦ったのよ。 そしてその後少し準備をしてから、準備室に向かった。 それから先は知っての通り。 小島を殺して、あなたをここに連れてきた。 浦田を運んだワゴンに乗せてね。 あなたや小島に吹き掛けたのは催涙スプレーでもあり、催眠スプレーでもあるもの。 眠っているあなたをここまで運んで、ベッドに乗せるのは本当に大変だったけれど、幸せだった。 龍太郎の寝顔を少し見てから、再び用具室に戻った。
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