4044人が本棚に入れています
本棚に追加
中島を殺した私は、どこに向かったか。
答えは体育用具室。
すぐに第2の細工を施さなきゃならなかったし、あっちも始末してしまいたかったからね。
私は、閉じ込められた準備室の窓から抜け出して助けを求めに来た、と言ってそこへ言ったわ。
教室に行ったら、中島が死んでいたということも伝えた。
動揺させたほうが都合が良かったから。
原田はその時既に死に掛けていた。
一刻も早く薬が必要だった。
私は、薬を取りに戻る、と言いそこから離れた。
扉の隙間から顔を出していたのは、佐伯勇太と遠藤崇だけだったけど、吉岡優樹も原田蓮も確かにそこにいた。
もちろん弓乃の死体もね。
その時にね、ある仕掛けをしてきたの。
洗剤の混ぜるな危険って知ってるでしょ?
塩素系と酸性のは混ぜたらいけませんってやつ。
あれに似たようなことをして扉の陰においてきたの。
洗剤なんかよりもっと強力なやつをね。
2つめの細工のいいところはね、開いた状態のまま閉まらなくなるところ。
ほぼ密室の空間の中に、扉の外から悪性の空気が流れ込む。
もちろん匂いも何もないから気づかない。
原田にとっては致命的よ。
本当はもう少し待ってからやる予定だったんだけど、中島のこともあったから予定を繰り上げたの。
第一にね、あの扉を壊されるってことはほとんど皆無だと思っていたから、私も焦ったのよ。
そしてその後少し準備をしてから、準備室に向かった。
それから先は知っての通り。
小島を殺して、あなたをここに連れてきた。
浦田を運んだワゴンに乗せてね。
あなたや小島に吹き掛けたのは催涙スプレーでもあり、催眠スプレーでもあるもの。
眠っているあなたをここまで運んで、ベッドに乗せるのは本当に大変だったけれど、幸せだった。
龍太郎の寝顔を少し見てから、再び用具室に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!