第1章:遅れてきた知らせ

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珍しく朝から講義を受け、佐伯勇太はひどく疲れていた。 前の晩も朝方まで飲んでいたのだから当然のことだ。 大学生とは暢気なもので、4年生ともなるとほとんど講義はない。 しかし、小学校からの幼馴染で悪友の小島竜介と3年間遊び呆けていた勇太は、月に数回、朝から晩までの講義を受けなければならなかった。 自業自得と言えばそれまでだが、一人暮らしの自由気ままな生活。 勇太も竜介も遊ばずにはいられなかったし、その報いがこの程度のものなら安いものだろう。 そういうわけで、寝不足と1日中の講義で疲労困憊、帰宅した勇太はアパートの1階にある集合ポストに目を向けた。 このご時世に郵便で何かを伝えようと思う人などそうそういない。 あるとすれば大学の通知や、就職面接の知らせくらいなものだが、大学の知らせなら無視しても携帯に電話がかかってくるか、掲示板に貼り出されるし、就職は3年生のときにノリで受けた建築会社に決まっている。 よって、勇太にはすぐに開封しなければいけないような郵便物が届く事態があることなどほぼ皆無なのだった。 案の定、一人暮らしの男によくあるように勇太のポストは知らぬ間に放りこまれた郵便物で溢れかえっている。 ため息をつきながら、溢れかえったポストの中身を、しぶしぶな様子でかき集め、4階の部屋へと向かった。
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