プロローグ

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私立帝卿学園高等部。 "自由"をモットーにした自由気ままな学園。 優等生キャラから体力馬鹿まで勢揃い。 そんな学園に一人の転校生が現れた。 「ここが帝卿学園か……」 小さく呟き、校門をこえた。 ―――1ーA――― 「おい恭哉聞けよ!!今日転校生来るらしいぜ!!」 「うるさい。そんなんみんな知ってる事だ」 眼鏡をかけた色素の薄い髪と目をした恭哉と呼ばれた少年は読んでた本を閉じる事なく答えた。 「な、マジかよ!?」 「お前が寝てる時に担任が言ってただろうが」 「寝てる時とか分かる訳ねぇじゃん!?せめて起きてる時に説明して欲しいよなぁ」 「ならみんな説明を聞く事は出来なさそうだな」 「どういう意味だよ?」 「大輔が起きてる時を狙ってたら説明する機会がなくなる」 恭哉の言葉に大輔と呼ばれた少年は怒ることなく 「あ、なるほど!!」 納得した。 「おい大輔、今のは納得するとこじゃねぇと思うんだけど?」 「ジョー!!お前どこ行ってたんだよ!!」 振り返るといかにもホストしてます不良ですといった風貌の少年が立っていた。 「ジョー言うな!!俺には城崎悠斗って名前があんだよ!!」 「いいじゃん別に!!」日常的に見られる漫才。 漫才と言っても悠斗が天然単純バカ大輔のせいで空回るだけだが。 「ってか転校生!!」 「唐突だなコノヤロー」 大輔のいきなりの話題転換にも悠斗は慌てない。 「噂では綺麗な女だってよ!!」 「ふ~ん」 「恭哉もう少し興味を持て!!」 「無理な頼みだな」 大輔のハイテンションもスパッと切り捨てる。 「女ぁ?俺さっきちらっと見たんだけどよぉ…」 「何!?見たのか!?」 "見た"という単語に食いつく大輔を振り払う悠斗。 「だぁあっ!!最後まで聞け!! さっきちらっと見たけど学ラン着てたぜ!!」 「嘘!?俺の情報が間違ってたのか!?」 「僕に聞くな」 "恭哉君冷た~い"なんて野次を飛ばす大輔と悠斗。 「まぁ、もうすぐ来るんだろうしそん時分かるんじゃね?」 「当たり前の事だな」 「恭哉君冷たい……」 「大輔キモい」 ギャーギャーといつまでも騒がしい1ーA。 ―――職員室――― 「君が佐倉夕伊君だね」 「はい」 ―――next―――
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