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「ならいいけど。」なんて言いながら、お姉ちゃんは安心したように再びジュースを飲み始めた。
けど、お姉ちゃんは急にジュースを飲むのを辞め、一点を見つめたまま固まってしまう。
不思議に思ったあたしは、お姉ちゃんの視線を辿りながら後ろを振り返った。
「……へぇー。二番目ね。」
「圭っ!」
振り返った先に居たのは、私服姿に着替えた圭。
「け、圭くん。今の話聞いてた……?」
お姉ちゃんが冷や汗を流しながら聞けば、圭は口元に嘘臭い笑みを作りながら答える。
「ぜーんぶ聞いた。」
口は笑っているけど、目が笑ってないような気がするのは気のせいだろうか。
「そっか、そっか!あ、あたし課題やらなきゃなんだっけ!じ、じゃぁ圭くんっ、ゆっくりしていってねっ……!」
お姉ちゃんは視線を泳がせたあと、逃げるようにリビングを後にした。
必然的に、リビングに二人きりとなったあたしと圭。
少しだけ気まずい沈黙が流れたところで、圭が口を開く。
「だから、俺の第2ボタンが欲しいなんて言い出したわけだ?」
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