第2ボタン

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ドアが勢いよく開いたと思ったら、ドアを開けた人物が俺の名前を慣れたように呼んだ。 「圭っ!!」 それは紛れもなく、卒業式が始まる前まで俺の幼なじみだった女。 「ちょっと!なんでこんなところに居るのよっ!学校中探したんだからっ!」 ヅカヅカと歩み寄りながら文句を言ってくる咲を見て、思わず笑ってしまいそうになるのを堪えた。 咲は俺の目の前に立ち止まって言う。 「ちょっと、話があるんだけど。」 「ふーん。ここで出来ない話?」 咲の話の内容を、本当は知っていた。 知った上で、わざと意地悪をしてやった。 小林に視線だけ向けながら、「ちょっと……」と言葉を詰まらせる咲。 小林は小林で、「よく分からない」というような顔をしながら、俺と咲の顔を交互に見ていた。 俺は自分で仕向けておいて、可哀想だなんて思いながら、腰を持ち上げた。 「じゃ、どっか別のとこで話すか?」 俺が出した助け船に、咲は安堵の表情を浮かべながら頷いた。  
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