第2ボタン

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「前に聞かれたことあったよね?第2ボタンの話。」 『第2ボタン』の単語に、俺は眉を寄せたけど、雪姉はそれでもまだニコニコしていた。 「あれね、嘘なの♪」 笑顔を崩さずに雪姉が言った言葉は、衝撃的だった。 「……うそ?」 唖然としながらも、聞き返す。 少なからず、その『嘘』に咲も俺も振り回されたわけで、なんでそんな嘘ついたんだと責め立てたい気分だ。 「あっ!違うよ?あたしが嘘ついたんじゃないよ?」 俺が怒ったのが分かったのか、慌てて手を振りながら弁解する雪姉。 「じゃあ誰?咲がついた嘘?」 はやく真実を知りたいと、焦る気持ち。 雪姉の睫毛が揺れて、口が薄く開く。 「知らない人がついた嘘。」 「は?」 意味がわかんねぇ、と顔をしかめる俺に、雪姉は言葉を続けた。 「だから、誰かが素直になれなくてついた嘘がね、ジンクスとして広まっちゃったのよ。」 「……は?」  
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