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ある男が野良猫に名前をつけて可愛がっていたそうだ 名前を仮に てとら としよう 長い間 その猫のいる場所に通う内 自分の他にも餌付けしている人間がいる事に気づく かといって別段なんとも思う事も無く いや むしろ こいつを可愛がってくれてありがとうという 感謝の念さえ浮かんだそうだ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ある時 男は その猫が違う名前で呼ばれている場面に出くわす事となる 猫は食後らしく 機嫌よさげに  食事を与えた相手に対しにぃにぃと応えていた さすがにその時は少し寂しかったらしく 軽く唇をまげて笑い 持ってきた餌を他人の目に触れぬよう隠してそそくさと その場をあとにした 次の日 男が昨日呼ばれていた名で猫に声をかけると 猫は応えず てとら と呼ぶときちんと反応したようだ 名前に託された呪というものはくくられるものにとって 一定のものではない理由がここにあるimage=50274836.jpg
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