μスターダスト

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忙しい中 無理やりにとった久々の休暇に 他県からこっち 地元へ帰ってきたツレ達と朝からしこたま飲み 少し風にあたろうと馬鹿言いつつ黄昏時の道をふらついていると 何ともなしに昔 皆でよく遊んでいた児童公園の前に来た ここもずいぶん変わったものだが・・・ 世間は夏休みということもあり 地元の学生達が花火を持ち寄って楽しげにはしゃいでいる ・・・俺らもよくやったなぁ ・・・やったなぁ ・・・まあ花火禁止なんだけどね? ・・・ほんとはな あからさまに禁止って書いてあるよな が   そんな看板など存在しないものとする まだ あどけない彼らに自分達の過去を重ねながら しばし懐かしさに身をゆだねる ・・・・・・不意に一人が 昔はナイターなんて洒落たものは無く 五時になったらしつこいくらいに夕焼け小焼けと「はやくおうちに帰りましょう」 のアナウンスが流れるだけで それでも帰らなきゃ 近所の暇な いや どっかいかれた爺さんが何匹も犬連れて 「帰れ」と一喝しにきたものだ と言い 以後 その犬に石投げたとか 調理実習で作った呆れるぐらい玉ねぎ入ったハンバーグを恵んでやったぜ? とか あまり穏やかでない話をして ああやっぱアフォばっかりだと思い 各々に心地よいが少々自虐的な傾向にある オツムの中身再確認の為の沈黙がおとずれる もっとも ものの数秒もなかったのだけれど そして それはこの一声によって崩された・・・
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