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拝啓、貴方へ。
しとしとと降る雨が紫陽花の花を濡らす季節となりました。
窓から見えるその景色は、私の寂しさをより深めます。
そちらでも梅雨はあるのでしょうか?
無知な私にはわかりません。
こんな季節には、一本の傘を二人で差して買い物に出掛けた日の事を思い出します。
貴方はいつも、『何も雨の日に買い物に行かなくても』とか、『傘は一本ずつ差そうよ』とか照れながらブツブツ言っていましたね。
全く、わかっていませんね。
私は貴方と一本の傘に入って出掛けるのが、とても嬉しかったのです。
買い物など、その理由付けに過ぎません。
貴方は本当に鈍感です。
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