「たんてい」の日。

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「ふぅ……」 今日はバイトがないから気が抜ける。 あぁ、久しぶりにひとりかもしれない。 昼食後の昼下がり。 大きくもない窓を開けて風景を楽しむ。 ……この風景は好きだ。 住まいが2階だけれど割と見晴らしがいいのだ。 といっても2階が最上階だからそれ以上の見晴らしは望めないのも事実だ。 ま。気にするな。 今日は天気もいい。 けど暑い。 今年は暑くなりそうだ。 「夏が来る。」 口ずさみたくなる歌も同じ事を言っていたような。 彼女を匿う(?)…というより彼女と生活して1ヶ月ほどかかる。 早いモノだ。 恋人同士のソレとは180度違うが。 違うから僕は誠実かつ貧乏くじを引くタイプで、じゃんけんも弱いタイプだと言うこと、 この1ヶ月で知った。 誠実は余計かも。 けどまだ1ヶ月なのに、色々あったなぁ。 まぁ、それは今度語る日があればいいだろう。 がちゃん。 景色を眺める僕の背に位置するドアが開く。 「ただいまー。ほら、買ってきたよ!!」 さすがに暑くなってきたので 「アイスが食べたいな。」 とだだをこね出した彼女に 「自分で行けるならいいけど」 と小銭を渡して アイスを買いに行かせたのだった。 久しぶりに静かになったので忘れていた。 「ほら」 と彼女はアイスが沢山入った袋を僕に投げる。 ん?? 多くないか…?? 渡した金額と合わない ぞ、絶対ぇ。 そこで僕は質問する。
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