1、陸軍船舶

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・甲型特殊船 甲型特殊船は、「神州丸」に続いて建造された特殊船であり、三井物産の「摩耶山丸」、日本郵船の「吉備津丸」、大阪商船の「玉津丸」の三隻の貨物船として「優秀船舶建造助成施設制度」の中で昭和16年に起工された。 「神州丸」は陸軍が海軍に建造を依頼したもので、運用は予備役海軍軍人と軍属、陸軍兵によって陸軍独自に運行していた船舶であるが、それ以降の「特殊船」は全て民間船舶会社の貨物船として作られ、各会社の乗組員が運用していたものだった。 これら徴用船舶のしくみを理解するには、海軍の「隼鷹」型空母、「大鷹」型空母などを参考にされたい。 ネームシップである「摩耶山丸」は、建造中に大戦が開始されたため、貨物船から貨物船型の特殊船として建造され、昭和17年に竣工した。 「神州丸」と同様、後部扉から大発動艇を発進させる機構を有しており、大発動艇は21隻が搭載できた。 しかし、完成後は既に初戦のような上陸作戦を行うこともなく、ただ輸送船としてのみ利用され、昭和19年11月フィリピン輸送の途上で米潜水艦の雷撃に遭い轟沈、乗船部隊4500名中3132名が船内に取り残されたまま死亡した。 二番船「吉備津丸」は18年に竣工しているが、「摩耶山丸」同様輸送作戦に従事し、昭和20年9月に触雷によって沈没した。 三番船「玉津丸」は19年初旬に竣工し、輸送任務に就いたが半年後の8月に、ルソン島沖で米潜水艦によって轟沈し乗員・乗船者4820名中4755名が死亡するという歴史に類を見ぬ海難記録を作ることになった。 摩耶山丸の概要 総トン数 9433トン 速力最大 20.8ノット 機関 三井製10,000馬力ディーゼルエンジン2基 作中では、史実と同様に優秀船舶建造助成施設制度」の中で起工され、「摩耶山丸」「吉美津丸」が陸軍軍人と軍属が運用する特殊船として昭和17年初頭に完成し、ミッドウェー作戦に参加している。「玉津丸」は建造中であるが17年10月には完成予定である。 登場:ミッドウェイ作戦 (上「摩耶山丸」) (下「吉備津丸」)image=234175309.jpg
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