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そのとある人物とは、一体誰の事なのか。隆之は寝乱れた髪を乱暴に掻きながら、つり目勝ちの瞳を眠そうに歪め、つい最近のやり取りを思い出していた。
これは相手から教えてもらった話。
隆之の両親は、経過は覚えていないが、実の兄が手にかけたため、もうこの世にはいないらしい。
代わりに親として接してくれたのは、隆之に「両親の名字では何かと不便があるから」と、名字まで提供して育ててくれた相手。
隆之にとっては親代わり、そして命の恩人にして、仕事の上司ですらある。
その人物の名前は、残念ながら隆之には分からない。ただ、名字を提供してくれたのだから、神藤とは言うのだろう。
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