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だから感謝はしている。してはいるが、両親の最期を聞かされ、自分一人で地に足をつけて立っているような生活を強いられている今、隆之は同年代より少し、世の中を斜めから眺めるようになってしまっている。
そのせいかMADMANの配慮と厚意にはどこか裏が、何か自分には言えないような含みもあるような気がしてならないのだ。
とどのつまり、隆之はMADMANをあまり、心の底から信用していないという事に他ならない。
恩だけ受けておいて薄情な話だとは思うのだが、例え家族だろうが疑ってかからないと、同業者にはいつ足をすくわれるのか分からないのが、仕事に伴うリスクでもある。
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