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俺は、楽しそうに(そう見えただけ)部活をしている奴等を横目に、正門に向かう。
と、そこでサッカーボールが俺の足下に転がってきた。
「すみませーん! おボール取ってもらえますか?」
そのサッカーボールを追いかけて、小さな少女がやってきた。
俺に話しかけてきたのは、同じクラスの女の子
「あれ? 中原くん」
「お、おう。頑張ってんな。今井」
今井の方に、ボールを蹴りながら、彼女に返事を返す。
「ありがとう! あれ? そういえば中原くん。お部活は?」
「今、辞めてきたとこだよ」
「あー、また、なんだね。でも、いつか見つかると思うよ。中原くんがしたいと思うこと」
「ああ、ありがとう、今井。が、頑張れよ!」
今井奈々は、俺にニッコリと笑顔を向けて力強く言う。
「うん!」
それだけ言うと、彼女は練習に戻った。俺は彼女の背中を見つめながら、終始ドキドキしていた。
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