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「そうか……。学校、か……」
学校と言う単語をきいてから、何かを考えるように、由衣は黙り込んだ。
しかし、分からない。
空の世界がどんなところか分からないが、学校くらいはあるはずだと思うが……。
「そんなに珍しいことか?」
「妾は、学校に行ったことがないのだ……」
今の彼女の目は、出逢った時に見せた、その目と同じくらい哀しげだった。
そして、言われて気付いた。彼女は王で、そして自由を求めてこっちの世界に降りてきた。
つまり、俺達からしたら、つまらない学校生活も、彼女から見たら、自由な生活の一部なのだろう。学校に行ってみたいのだろう……。
だったら――――
「言ってみるか? 学校?」
俺は、その願いを叶えてみたいと思った。
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