始の章~学校

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廊下を歩いていると、再びグラウンドからは、生徒の声が聞こえてくる。 穏やかな朝には穏やかな出来事があるのではないかと少し期待してしまう。 「おっはよー。中原くん。お早いねー?」 案の定というか、ラッキーというか、何とも幸運なことに朝から穏やかなことが起こってしまったようだ。 「おっ、おはよう。今井」 「うんうん。なんか朝のお挨拶っていいよね」 ただ今、絶賛片想い中の女の子。今井奈々に、朝から話しかけられるなんて夢のような話だ。 「ちょっとちょっと、中原くん。私には挨拶ないんスか?」 と、小さな小さな我がエンジェルの傍らから現れたのは、今井奈々の親友の、 赤浜美咲(あかはまみさき)。 この二人は、学園の中でもトップ2を占める、美女の二人。二人そろって、『紅秋の花』と呼ばれるほどの人気だ。 その二人に朝から話しかけられる俺って、なんてラッキーなんだろう。
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