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えっ!? と驚いたのは、俺と光彦。傍らの由衣に向き直る形になる。
彼女は、出逢った時のような雰囲気を醸し出しながら。
「アゲハは人を助けることが出来る。川に落ちた犬を迷いなく助けに行ったし、妾のことだって助けてくれたんだ。アゲハには、アゲハにしか出来ないことがあるはずだ」
一息にそう言った。迫力だけなら猛虎のようだ。
ぶわぁと突風が突き抜けたように、唖然とするしかない。
しかし、光彦は臆したカンジを隠すように威勢を張って言い返す。
「そ、そこの馬鹿がどう頑張ろうが、何も変わりはしないんですよ? 今だって、ソイツに合う部活がないから……」
「無ければ創ればいい!」
光彦の言葉を遮って、一直線に俺に届くように目線は俺に向かう。
俺は終始、唖然としていた。
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