始の章~出逢い

6/10
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
俺は学校を出ると直ぐ様ある場所に向かった。 そこは、この街のすべてが見下ろせる場所。学校の裏にある、長い階段を登り、何年か前に切り倒された、もみじの木がある場所。 俺はいつも、学校が終わるとこの場所に来ることが多かった。 理由は二つある。一つは、この場所が好きだから。単純に、昔から、何かと、この場所に来ていたから、お気に入りの場所になっていた。 そして、もう一つは……。 見え出した、大きな切り株に座る少年。その髪は金色に染まっている。耳にはじゃらじゃらとピアスをつけた、いかにも、不良と言った少年が、ダルそうに座っていた。 「よおーす、梨香」 面白い友達に会えること。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!