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俺の声を聞いて、梨香はすぐにこちらを睨み付けた。実際はただ見ただけだろうが、梨香の目付きは刃物のように鋭い。
そして一瞬こちらを見たかと思うとため息をついた。
「今日は早いな。部活辞めたのか?」
「そうだよ、ついさっき辞めてきた。つか、それみんなに言われるわ」
「そりゃいつものことだからな」
梨香は少し乾いたように笑う。
「そうだなー。そろそろ決めたいもんだな」
「すぐには決められないだろうが、ま、頑張れよ」
梨香は、見た目は完璧な不良のクセに妙に優しい。
「まあ、それはさておき……どうする?これからなんか予定あるか?」
「ううん。いつも通り暇なんだけど……」
「けど……?」
梨香が話の途中で、俺から目線を逸らす。俺は気になって、梨香が見ている方に目をやった。
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