始の章~出逢い

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その真っ青な鳥を追いかけて、どんどんと林の方へ入っていく。辺りは、夕方なのにどんどんと暗くなっていった。 しかし、不思議なことに、あの真っ青な鳥は、真っ暗な林の中においても、光っているので、見失わずにいられた。 やがて、林を抜けると、今度は夕方なのに、空と海が真っ青な場所に出た。 「なんだ!?……ここ!?」 「おい! アゲハ! 青い鳥は?」 梨香の声に辺りを見渡す。追いかけてきたはずの青い鳥の姿がない。あんなに存在感があった真っ青な鳥は、忽然と姿を消してしまった。 「逃がした……」 「そのようだな……」 俺と梨香は大きなため息をついた。せっかく、必死で追跡したのに、見失ってしまったからだ。
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