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目を開けると、そこは見たことのない部屋。煌びやかな装飾がいちいち眩しい。
どうやら俺は気を失ってしまったらしい。
確か俺は夏木さんに告白してふられて…そんで足下にいきなり出てきた扉の中に落ちたんだよな。
なんだそりゃ。現実的にありえないだろ。
というか俺は死んだのかな?だとするとここは天国?
「ん…もう…、王様ったら…こんな昼間から……。」
何やらいやらしい声が耳に入ってくる。
天国の住民はお盛んなんだな。
16才で貞操を守り通している俺には刺激が強すぎる。
っていうか王様?
色んな意味で気になったので、その声のする方に目線を送った。
部屋の中心に大きなベッドがあり、その上では2人の男女が、今にも愛の営みを始めんばかりにイチャイチャしている。
失恋したての生傷がズキズキと痛む。
するとその男女の男の方が俺の存在に気づいたらしく、目があった。
思わず俺は呟く。
「あんた……だれ?」
「こっちのセリフだぁぁぁぁ!」
その男が怒鳴ると、どこに潜んでいたのか、鎧のような物を身につけたがたいのいい男達が現れ、俺は状況を理解できぬまま、身柄を拘束された。
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