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◇ ◇ ◇
「いきなり扉が現れて落ちて、気付いたらあの場所にいた?
もっとまともな言い訳を思いつかんのか、この侵入者は」
白髪に髭を蓄えたおじさんが俺に向かって凄まじい剣幕で怒鳴る。
現在俺は大きな広間の中央に正座していた。
槍を持った物騒な方々と数人の野次馬に囲まれて。
―――あの後、俺は薄暗い牢屋まで連れて行かれてしばらく放置させられた後、今はこの大広間に連れてこられ事情を聞かれている。
というかここ日本だよな?
なんだか西洋の城にでもいる気分であった。
「まったく。まぁ王室に忍び込むとは言い度胸だ。
狙いはやはり暗殺か?
国王。こやつの処分は如何いたしましょう。やはり極刑に処すべきかと」
髭のおじさんが何やら恐ろしいことを口走っている。
「いや。別に殺すことは無いんじゃないか?
実際意図的に移転術でこの城の防壁を越えてくることは不可能だ」
内容はいまいち理解できないが助け船を出してくれた国王と呼ばれる男。
この男こそ先ほどベッドの上で愛を営んでいた人物である。
見た目は黒髪の短髪に整った顔立ち。衣服は黒を基調としたシンプルな服装だが、所々に高そうな装飾品が目に付く。
年齢は20代前半と言ったところか。
てか本当にここ日本か?
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