第2章

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正直俺のような得体の知れない人物に、気軽に話しかけて来てくれたフィリオの存在は今の俺にはありがたかった。 俺はフィリオに今一番気になっていたことを尋ねた。 「なぁフィリオ、ここは日本だよな?」 するとフィリオは少し不思議そうな顔を浮かべると頷いた。 「あぁ確かにここはニホンだよ。 ニホン列島」 俺がその『日本』のイントネーションに違和感を感じていると、どこから取り出したのか、何やら巨大な地図のような物を持ち出した。 その地図は見覚えのある日本地図である。 しかし細かいところまで見てみると、俺の知っている日本地図とはところどころ異なっていた。 全て漢字ではなく英語で地名が表記されているのである。 「今僕らがいる場所がサグベル。ここだよ。」 そう言って日本地図の関東地方辺りを指差した。 「サグベル?そこは群馬県だろ?」 俺が疑問に思い口を開くと、フィリオは困ったような顔をした。 「グンマケン……?リュウ……まさか本当に何もわかんないの?」 俺はなぜか申し訳ない気持ちで頷いた。
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