ガラスの“私”へ

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ガラスの“私”へ

時が止まるくらいに。 でも、空気と光は暖かくていい。 白じゃなく、優しく在って。 桜の花びらが いっぱい舞って 一面“うすピンク”で在って。 他から邪魔はさせないよ。 だから安心してね。 私がとおせんぼしてるうちに さぁ、中に入っていって。 悲しむ顔を見るのはやだよ。 やだよ。 私が優しく “うすピンク”で包み込むから。 もこもこであったかいでしょ? 泣かないで。 もう、泣かないで。 優しいハグじゃないけれど… 不器用に そして、必要以上に ぎゅーぎゅーして、痛いかな。 いいこいいこ。 よしよし。 泣かないで。 ねっ、泣かないで。 明日には、また笑えるように 白い猫さん 貸してあげるよ。 大丈夫。 時間は味方なんだよ。
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