のーくらと僕

4/18
前へ
/127ページ
次へ
僕がのーくらを見つめていると、のーくらも僕を見つめしゃがんできた。 忠「これ、噛み付く?」 僕を指差し言った。 『これやない。僕はりょうちゃん!』 忠「吠えたわぁ!」 侯「平気や。噛まんよ。」 のーくらは僕を警戒しながら道端に落ちていた木の枝を拾って… 僕をツンツンしてきた。 『なんやねん!何すんねん!』 僕が一生懸命逃げてものーくらは枝でツンツンしてくる。 なんやねん!なんやねん!こいつ!!つばるやヤツより厄介や! 侯「あんまりりょうをいじめんなよ。」 忠「りょうって言うんか?」 『そうや!悪いか!』 侯「ほら、怒りだしてきたぞ。」 忠「面白いわぁ。」 『僕はおもちゃやない!』 どんなに吠えてものーくらはツンツンをやめない。 きみた~ん!! 僕はきみたんに飛び付いた。 侯「大倉、仕事いいのか?」 忠「あっ…」 のーくらは思い出したかのように立ち上がり 忠「ほなな。」 さっさと行ってしまった。 なんやねんあいつ!ヤツはどんな趣味しとるんや! 僕はきみたんの靴ひもに噛み付いた。 侯「りょう、あんまり怒るな。あれでもええ奴なんよ。」 きみたんは僕の頭をなでながら言った。 ヤツもきみたんも見る目ないわぁ!! この時の僕はそう思っていたんや。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2045人が本棚に入れています
本棚に追加