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「首輪があるやないか」
「そうなんや。迷子なんやろな」
「飼い主が見つかったらすぐ戻すぞ」
「えーっ!!」
「えー!やないわぁ!だいたいこのアパートはペット禁止なんや!」
「えっ?マジ?だって両隣も飼ってるやないか」
「管理が甘いんや!」
「そっか~。お前あんまりキャンキャン言うなよ」
『言わんわぁ!』
そして、にーさんは僕を撫でた。
「んっ?首輪に何か書いてある…」
「リョウ?」
僕の名前や!!
『そう!僕、りょうちゃん!』
「反応したわぁ!お前、りょうって言うのか!」
『そうや!』
「宜しくな!りょう」
『宜しく!にーさんの名前は?』
「だから~あんまり鳴かせるな!」
「あっ…すんません…」
ヒナちゃんに叱られるとにーさんはしょんぼりした。やっぱりここではヒナちゃんが強いんや!
そして…
この日から僕はここに住み始めた。
なんだかんだで僕に餌をくれるのはヒナちゃんだった。
にーさんの名前が“きみたか”って言う事も分かったけど…僕はもう“キミたん”って呼ぶ事にしたんや!
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