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雨の音がする。
今日は雨が降ってる。
しかも結構強い。
蓑を着ているとは言え、やはり痛いものだ。
あたしはある邸の戸を叩く。
〔ゴンゴン〕
…しばらくすると中からあたしと同じ歳くらいの男の子が出てきた。
「えっと…何か用件があるのでしょうか?」
この男の子あんまし敬語使い慣れてないな…。
しかし、雨の中出てきてくれたのだ。
あたしは男の子の質問に答える。
「此処の家主と御話がしたいのですが…構いませんか?」
男の子は少し考える様子を見せるが、自分の肩を見るとすぐに笑顔になって、
「解りました。 少々御待ちください」
男の子は玄関まで走っていった。
…それにしても……
「今の男の子…」
言葉の一つ一つが、何だか心強かった…。
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