話す時

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「おぉ! これはこれは帝の妹殿ではありませぬか!」 「相変わらず愛くるしいお姿をして居られますな!」 父の知り合いがよくあたしや兄に会いに来た。 会いに来る度にあたしをいつもこう呼ぶ。 帝の妹…と。 確かに帝の妹だ。 だが兄はまだ正式に帝となっては居ない。 『どうして…? どうしてみんなわたしをなまえでよんでくれないの?』 あたしはまだ3歳だったけど良く解った。 皆あたしなんて居なくても良いと思ってる。 あたしは我慢出来ずに……邸を抜け出した。
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