問題発生!

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問題発生!

 和臣が悩んでいることなど全くといっていいほど気にしていない律は、いつものように昼休みになると決まって生徒会室でくつろいでいた。  親友である亮輔も同じだ。  二月に生徒会の任期を終えたにも拘らず、二人は相変わらず生徒会室を利用していた。  一応、新役員が決定したのだが、やはり亮輔の影響力が大きいのか、あまりパッとしないのが現状だ。  引継ぎも終えているのに、亮輔は何故か生徒会室に入り浸り、自然に律も入り浸っていた。  他の役員は内部受験の準備や外部受験で多忙な日々を送っている。  亮輔は大学部に進学するために必要な成績は全てクリアしているので、問題はない。  常に学年トップをキープしているのだから、焦る必要性はないのだ。  ただ、進路担当からは学部変更をするように口を酸っぱくしているのだが、亮輔は決して文学科に進学すると言い張っている。  理由はもちろん、彼の恋人であり、現在は翠嵐学園大学部文学科で助教授をしている浅賀健吾【アサカケンゴ】がいるからだ。  二年の時から『健吾さんの講義を受けたい!』と断言している。  そんな亮輔が、進路担当に反対されて屈することは決してない。  そもそも、進路担当が何故文学科を反対しているのかは、亮輔の父親が有名な弁護士であるため、法学科に進路すべきだと考えているからだ。  これに関して、亮輔は『父は父。僕は僕です。何で父と同じ道を歩まなければならないのですか?』と逆に聞き、担当を黙らせてしまった。  結果、進路担当は断念をして、亮輔は内部受験で晴れて文学科に進学することが決定した。  健吾からは『来るんじゃない!』と拒否られているが、しっかりと流している。  律の進学はK大学の経済学部。  本当は陶芸家になりたくて、右京の元で弟子入りしようと考えているのだが、右京から『作品が売れるまでの期間が長いから大変だ!』と言われ、大学で資格を取り、生活の安定を固めてから、陶芸家への道を進むことにした。
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