僕が君の生きた証

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  宵風、ごめんね。 最後の最後に、一緒にいてあげられなくて。 最期の時、一人で寂しかった? 何を感じてた? 何を想ってた? …笑ってた? ただ「そう」とだけ言った、その一言に、どれだけの想いが込もってたんだろう。 ねぇ宵風 僕は君に会えて幸せだった。 とてもとても幸せだった。 宵風、君は? 君の人生は、お世辞にも“幸せ”なものとは言えなかったかも知れない。 それでも、光になるまでのほんの短い、一瞬の間、少しでもいい。 幸せだった? 満たされてた? もし、満たされた暖かな時間だったと、幸せだったと、そう思ってくれたら。 そう感じてくれていたら。 もしそうなら嬉しい。 ねぇ宵風、信じていい? 君は幸せだったと。 君は満たされていたと。 信じてもいい? 絶対に忘れない。 僕が君の生きた証になるから。 忘れないよ、君のこと。 ………宵風。 -fin-
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