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黙り込む土方を見て榎本は言葉を続ける。
「そう、か…。いつまでと?」
「春までもつかどうか…と。」
土方は悔しそうに下を向く。
「まだ、14なのに。何故、労咳などに…」
土方の姿を見て榎本はそっと肩に
手をかける。
「辛い…な。」
「先立つものも、置いていかれる者も
辛いのは、一番知っているのに
何もしてやれない。それが、一番
腹立たしいのだがな。」
土方は、自嘲気味に云う。
「知っているからこそ、出来ることも
あるさ。今からでも遅くはない。」
「あぁ、そうだな」
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