594人が本棚に入れています
本棚に追加
/246ページ
それから何分か経っても、身体から抜け出してしまった今のわたしは消えなかった。
ということは、まだわたしの身体は死体ではなく、意識を、つまりこのちゃんと物事を考えられる今現在のわたしを失っただけの生き物として存在しているということだ。
でもきっと、残された時間は限られているだろう。
わたしは今自分がなにをするべきか探した。
探したけど、なにも思いつかなかなかった。
だってわたしにはこの世に対する未練も、なにか残したい偉大な言葉や思想も、何一つ持っていないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!