あーあ、始まったよ。

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 オレ、大河内優斗は柔らかい光で目を覚ました。 そこは古い聖堂のような造りの部屋だった。 真上からはなにやら緑の髪をした女の子がオレの顔を覗き込んでいた。  …ちょっと過去を振り返ってみよう、オレはあのとき自分の住むオンボロ山田荘に帰る途中だったはずだ。 そして無人の十字路を右に曲がったあたりで眩しい光に包まれて、そこから記憶がない。  オレの両親はオレが生まれてすぐに火事で死んだ。 オレは病院にいたので助かったのだ。 孤児院に入ったのはいいんだが、その孤児院は今年の春に経営難で潰れた。 高一のオレは仕方なくアルバイトで食いつなぎながら家賃の安い山田荘で暮らしながら学校(公立)に行くことにしたのだが、その始業式の帰りに気を失って今に至るらしい。
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