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ある朝
アーヤはというと。
朝からわがまま言い出した。
「僕ね、学校に行ってみたいの!」
凄い笑顔のアーヤ。
笑顔は可愛いんだけどな……。
「学校へ連れていけって言われても無理だからな。」
出来るだけ強めに言った。
すると、アーヤの顔に悲しみが広がった。
大きな目には涙が浮かんでいる。
「えー!?なんでぇ…僕…行きたいよぉ……」
完璧に泣き出したアーヤ。
……これからが怖いんだ。慎重に慎重に。
「無理なものは無理なんだ。何か菓子でも買ってやるから我慢しろ。」
なだめるように言うと、アーヤは納得出来ないって顔して、俺を睨み付けてきた。
アーヤのような幼い顔に睨まれても怖くないんだが…
「嫌だっ!僕、学校に行きたい!!」
アーヤはそう叫ぶと部屋中のものを浮かせ、俺に向かって投げてきた。
アーヤに睨まれても怖くないんだが、ものがとんでくるから、危ないんだ。
「ものを投げても連れていけねーよ」
俺はとんできたものをよけながら言った。
アーヤの機嫌はますます悪くなっていった。
…やばいな。こういうときは……
逃げるが勝ちだ!
俺は学校の荷物を持って急いで家をでた。
アーヤが何かを叫んでいたが、無視して俺は学校へ向かった。
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