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帰還
「おめでとう!!」部屋に帰ってきて景気のいいクラッカーの音がしたと思ったら親友の第一声はそれだった。
「何が?」
今日は朝から本局の人事課に呼ばれ、異動命令が発表され、お偉いさんに挨拶をし…疲れた
帰ったらすぐにシャワーを浴びて寝ようかと思っていた矢先に自分の部屋には先客がいた。
「何って…」
親友は苦笑しながら言う
「君の特務隊への異動祝いだよ」
親友は肩を叩く
「…あ~、まあそうありがとう」
部屋のソファに腰かけながら俺は答える
そしてソファの前の缶ビールに手を伸ばそうとしたらキッチンの方から声が聞こえた
「こら、未成年はまだダメよ」
何で見えたんだという疑問もわいたがそんなことより、何であの女もいる
「まあそういうことだ」
親友は俺が帰るまでに今日くらいならと言ったんだろう
しかしその申し出は却下されたようだ
「今日くらいいいじゃないか。俺が主役なんだろ?」
それでも俺はビールを飲もうとするが…
「ダメなんだそうだ」
親友の手に止められ、代わりに炭酸飲料を渡される
「とりあえず今日は我慢してくれ」
親友は、俺の恨めしそうな視線を無視しキッチンにいる女に声をかける
「主役も帰ってきたしそろそろ始めようか」
「そうね、今行くわ」
キッチンから料理を持って女性が出てきて、テーブルに料理を置く
「特務隊入りおめでとう、ライネス」
「おめでとう」
その言葉に少し照れながら俺は答える
「ありがとう、リンディ、クライド」
俺の照れている様子に2人は微笑みながら俺を見ていた
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