序章 鏡の間

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 時は陽陰暦235年……我らは北方に位置する最果ての大陸にて、闇の軍勢を指揮する黒き王と剣を交えた。  戦いは熾烈を極め、我らは傷つきながらもどうにか黒き王の胸部に剣を突きたて、かの者を次元の海へと突き落とした。  世界に光が戻り、我らが同胞や精霊たちは各々の居場所へと戻った。 だが、これは前兆に過ぎない。  我らが滅した数千年後……再び黒き王はこの世界に君臨するであろう。  しかし恐れるな。汝らには創造神ネリーフィスより、一筋の希望の光が与えられる。  世界の何処かにあるという次元の大鏡の彼方より、異国の衣を身に着けた者が現れん。  かの者、その左手に炎を纏い、右手に剣を持ちて黒き王を討ち果たし、この世界に真の光をもたらすであろう。  後世に生きる汝らを思い、我はここに筆を取るものである。  我らが志を継ぐ者よ。汝に創造神の加護があらんことを。
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