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今度はキヌアが口を開いた。
「ギルドさんは、どのくらいお酒を飲めるんですか?」
「ああ……たしか一番飲んだのが、ポルク酒を樽二つ空にしたことがあるぜ!」
「ふぇえ!? そんなに飲んだら体に悪いですよ!」
「そうか? 意外と平気だったけどよ」
「何事も、やりすぎたら悪くなるのが世の常だ。さ、そろそろ行こう」
休憩を終えて、弘樹たちは険しい山道を進んでいく。
途中で数人の行商人にも出会った。
夜になり、弘樹たちは手頃な洞窟を見つけて火を起こし、簡単な夕食を済ませて眠りにつく。
しかし、ただ眠るというのもつまらない。
せっかく新しい仲間が出来たのだから、もっと話がしたいものだ。
そう思って弘樹が口を開こうとすると、先にギルドが口を開いた。
「ちょいと気になることがあるんだが、聞いてもいいか?」
「なんだ?」
「前に船の中で聞いたことなんだが、仲間になった以上はオレもお前らについて詳しく聞いておきたい。
まだ話してないことがあるだろ? たとえば、そこの嬢さんとか」
「ふぇ? わたし……ですか?」
「ああ。どうにも引っ掛かるんだよ。オレが今まで会ってきた女とは、大分雰囲気が違う。どこか、高貴な匂いがするんだが、オレの気のせいだったか?」
ギルドの勘の鋭さに弘樹もキヌアも舌を巻く。
しかし、ギルドの言うことにも一理ある。
それにもう隠し通すことも出来ないし、隠す必要も無くなった。
彼の疑問にキヌア自身の口から答えを告げていく。
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