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ケフィアが胡坐をかいて隣の部屋に目を向けると、彼女が言った通り、キヌアたちは目を覚ましてこちらの部屋へ出てきた。
「ふわぁ……おはようございます……」
キヌアは大きな欠伸を吐き、目の端に浮かんだ涙を指で擦りながら部屋の中を見回した。
「ここ……どこですか?」
寝ぼけていたらしい……。
弘樹と同じように、キヌアもルピスから説明を受けて、その後すぐにミオも目を覚ました。ルピスが砂漠の魔女だと知ったキヌアとミオは、呆然と彼女の顔を見つめる。
想像していた魔女の姿とは随分とかけ離れていたのだろう。
そんな彼女たちの顔色から何を考えているのか悟ったルピスは、にやりと笑って口を開いた。
「あれれ? もしかして、水晶玉を片手に妖しく笑う、三角帽を被ったお婆ちゃんを予想していたのかな?」
「……はい」
キヌアが正直に答えると、ルピスは腹を抱えて笑い始めた。
「あはははは!! お、おかしい! くくく……それ、典型的すぎだよぉ! うっはっはっはっはっは!!」
「……失礼ね。そこまでおかしいの?」
「うん! おかしくて、腹筋が捻じれそうだよ! あはははは!!」
怪訝な顔をするミオを余所に、ルピスは暫く笑い続けた。
こうして、弘樹達は砂漠の魔女ことルピス・オーロリアに出会ったのであった……。
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