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というのも、そこから先は文字が霞んで読むことができないのだ。
分かったことは、守護者と呼ばれる精霊がいることとゲオルギアも守護者の一つであったというこだ。
弘樹達からすれば途方も無い幻想的な話のため、理解しているのは誰一人としていない。
「なんのこっちゃ……」
「分からない。でも、守護者か……一つ思い当たるな」
「あの、炎の神様のことですか?」
「ああ……それしか当てはまらないだろう。だけど、あの巨竜が守護者だとすると、何で俺に……」
「お~い、オレたちを置いていくなよ。説明してくれ」
怪訝な顔をしているギルドたちに、弘樹は、トタクを倒す直前に見た光景と巨大な鬼とも竜とも呼べる巨大な何かを説明していった。
「おいおい……そいつが魔王なんじゃないのか?」
「最初は俺もそう思っていたんだけど……どこか、懐かしいような、前から知ってるような……そんな感じがするんだ」
「不思議ね……」
「その変な世界って、今でも見れるの?」
「いや、見れないと思う。いつも、唐突に現れるから……」
いつしか、弘樹が見た世界と巨竜について考えるようになっていた。
それしか手がかりが無かったから。
だが、いくら考えたところで明確な答えなど出るわけがなく、これは一旦保留ということで落ちついた。
続いて、どうやってここから出るのか……これが最大の問題であった。
出てきた案は三つ。
一つは、神殿内をくまなく調べて他の出口が無いか探す。
二つは、崩壊覚悟で頭上の岩盤を破壊して出る。
三つは、砦の瓦礫を吹き飛ばして出る。
二番目の案は即却下となった。となると二択だが……多数決によって、もう暫く神殿内を探索する一番目が可決となったので、各々が怪しいと思うところを探し始めた。
――こういう地下神殿……いや、元々は地上にあったんだろうな。とにかく、こういう神殿には隠し扉みたいなのがあるものだけど…………無いかなぁ?
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