第23章 奈落の神殿

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「おお、いい風だぜ。淀んでいないところを見ると、地上の新鮮な空気だな。行くぞ」  槍を肩に担ぎ、ギルドは部屋から出ていった。  暫し黒い獣を眺めていた弘樹達も彼に続き、かなり長く続く上り坂を上ると、入り口と思われる扉にたどり着き、さらにギルドが蹴飛ばすと、新鮮な乾燥した砂漠の風が頬を撫でた。  地平線が明るくなっている。そろそろ夜明けが来るのだろう。  少し外に出て振り向いてみると、神殿に続く扉は、何の変哲もない大岩に取り付けられていた。  しかし色は岩と同じ黄土色なので、一見すると分からないだろう。  帝都に戻ったら報告するべきだと思いながら、弘樹達は、砂漠の野営地を目指して歩を進めていった……。
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