9515人が本棚に入れています
本棚に追加
そう心に決めていた。
だが、それから数年が経ち、ヴェルディンの人生に転機が訪れる。
異世界から弘樹がやってきたのだ。
弘樹を歓迎する宴に向かうヴェルディンは、廊下で弘樹とぶつかった時、見知らぬ少年の目の奥に何かを感じた。
言葉では言い表すことができない、何かを……。
宴の席で、ヴェルディンはシクルスとメイスから弘樹を鍛えるように命じられた。
勿論最初は断ったが、まるで聞き入れてもらえずに渋々承諾し、翌日、礼をしてくる弘樹に少しばかり奇襲をしてみると、あまりにも鮮やかな負け方であった。
足の位置、手の位置、そして体勢と気迫……即座に弘樹が剣の心得があると読んだヴェルディンは、この少年を鍛えればどうなるのか試してみたくなり、その日から弘樹を弟子として鍛え、今に至る…………。
最初のコメントを投稿しよう!