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あの瞬間、何が起きたのか全く分からなかった。
そう、あの時僕は大学受験のために一生懸命勉強をしていた。
それで消しゴムを机の下に落としてかがんだ時に大地震が起きてそれから物凄い絶叫、不可解な不気味な音、やがて地震や音が止み、ゆっくり目を開き窓から外を覗き込んだらそこに『人』はいなかった。
有るのはただキメラのように幾つもの人間が合体している醜い化け物達。
人間同士だけではない。
猫などの動物と合体している人間、服と体が混ざり合って不気味な色を演出している人間、電柱と繋がって動けないでもがいている人間など、様々な化け物が窓の外にいた。
不思議とあれだけの強い地震があったにも関わらず、建物などの被害はあまり出ていない。
僕は今の状況で両親や弟の無事を確認する事が最優先だと判断した。
幸い今日は休日だ。
みんな家にいるだろう。
「父さん!母さん!透!どこにいるんだ?」
僕は階段を降りながら必要以上に大きな声で叫んだ。
なんとなくこの時点からもう何かを感じていたのかもしれない。
一階に降りると、そこには父と母がテーブルと合体していて父がテーブルから離れようともがいている姿があった。
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