Prologue

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僕…海山 涼(みやま りょう)の通う学園には<王子>がいる。 頭脳明晰、スポーツ万能、そんでもって容姿端麗。おまけに性格も申し分ない。 すべてにおいて完璧な人間。 ファンクラブが作られるほどの人気はとどまる事を知らない。 「おはよー!」 「おはようございます!」 毎朝無数の挨拶を受け、優しく微笑みながら挨拶を返す。 「みんな、おはよう」 天使のような笑顔に、周りにいた人間はうっとりする。 女子、男子、先輩、後輩の分け隔てなく、あげくの果てには先生まで。 もちろんその中には僕も含まれている。 九条院 環(くじょういん たまき)。 それが<王子>こと彼女の名前だ。
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