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「おぉ、九条院じゃないか。」
男の人の声。
女子がまた悲鳴を上げる。
「結局うちのクラスになったのか」
「はい、市川先生」
市川 幸正(いちかわ ゆきまさ)。
人の群の中でも一発でわかるであろう長身。
ビシッと着こなされたスーツ。
授業がわかりやすいと定評のある、理科教師…
だったっけ?
噂でしか聞いたことないや。
女子達の声を全く気にせずに、2人は会話を続けている。
「そーか。まぁ、ここは他より人数少ないから、当然っちゃ、当然か」
「確かにそうですね。
ところで先生、私はどこの席に座ればいいでしょうか?」
「んー。まぁ適当に…1番端じゃないか?あそこ空いてるし」
1番端?
「わかりました」
先生に会釈して環さんが歩いてくる。
そして
「隣、これからよろしくね」
席に着きながら、僕に微笑んだ。
僕は<王子>の隣の席になりました。
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