*5段*

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咄嗟に両手で口を押さえたから、間一髪のところで麻田さんの唇は私の手の甲とキスした。 ぶぅっふぁ~ハハハ 麻田さんが吹き出す。 『アハハハやっぱ、ゆず、最高だわ。』 『な、何よ。あ、麻田さんがキスなんてしようってするから…』 『いまどき、中学生でもそんな拒否の仕方しないよ(笑)』 『……』 『なぁ、いいことなんて一つもないって。やめとけ佐伯は』 『だから、佐伯さんとは何でもないって言ってるでしょ? ……ううん……判ってるよ、そんなこと。 だから言わないんだって! 佐伯さんにも誰にも…勝手に好きになって…そんなこと言ったら佐伯さんに迷惑でしょ? なのに、なんでそんなこというの? 勝手に好きになったんだから、勝手に忘れるまでほっといてよ… 私だってどうしたらいいのか判らないんだからぁ~』
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