*6段*

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それまでは、自分がそこまでコイツにイレ込んでるとは思えなかった。 佐伯のことは同業者から噂は聞いている。 あの風貌だ。女がほっとく訳がない。 けど佐伯は誰一人とて噂にもならない奴だった。 「嫁さん一筋かよ」 「勿体ないなぁ」 そんな風に言う奴らもいた。 実際、2年間佐伯が来る度飲みに出掛けたりしているが、飲み屋のねぇちゃんにさえその態度を変えない。 それどころか冷たくあしらっている。 「それがいいのよ~」 よく判らないことを言う女達。 その佐伯が「柊木ゆず」には始めから違った。 コイツが明かに惹かれてますって態度を向ける前からアイツは「柊木ゆず」を意識していた。
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