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それまでは、自分がそこまでコイツにイレ込んでるとは思えなかった。
佐伯のことは同業者から噂は聞いている。
あの風貌だ。女がほっとく訳がない。
けど佐伯は誰一人とて噂にもならない奴だった。
「嫁さん一筋かよ」
「勿体ないなぁ」
そんな風に言う奴らもいた。
実際、2年間佐伯が来る度飲みに出掛けたりしているが、飲み屋のねぇちゃんにさえその態度を変えない。
それどころか冷たくあしらっている。
「それがいいのよ~」
よく判らないことを言う女達。
その佐伯が「柊木ゆず」には始めから違った。
コイツが明かに惹かれてますって態度を向ける前からアイツは「柊木ゆず」を意識していた。
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