*7段*

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…修司か。 元カノだものね。 私は振り向きもせず麻田さんを瞬きもせず見ていた。 『ああ』 麻田さんはその声の主を見ることなく、私の視線に合わせたまま短い返事をした。 何故か微かに口元に微笑みを浮かべてしまった。 苦しまぎれとかその場しのぎではなく、 「気にしないで」 そんな気持ちがそうさせた。 『何よ、振った女には口もききたくないの?』 麻田さんは彼女の言葉に何も答えず 『ゆず、帰ろ』 と立ち上がった。 その時、携帯の着信音が響いた。
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