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『聞いちゃまずかったですか?』
2、3度首を振り
『働いてるよ、大学のゼミ仲間だった』
その口調は、これでその話は終わりって言っているような言い切りだった。
『ごめんなさい…』
何も感じていないなら、こんな話は普通のこと。
「ねぇ~ねぇ~」調子で聞けちゃうよ。
なのに、私も変に意識してるし答える佐伯さんは困惑顔。
確かに知ってどうするんだってことだけど。
知りたいことはまだまだある。
『佐伯さんの下の名前は?』
急に話が飛んだ風になったのに表情を崩し
『直之、佐伯直之』
笑いながら答えた。
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