*1段*

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佐伯さんは優しく微笑みながら 『退屈だよね、こんなおじさん達の相手させられて』 グラスを持つ左手の指輪が目に入った。 『すみません…慣れてなくって…退屈なんかじゃないです。それにおじさんなんて…』 佐伯さんはおじさんなんかじゃないです…と言おうとしたが、麻田さんがさっき佐伯さんと呼んだのを聞いただけなので少し躊躇った。 『佐伯です。よろしく』 うわっ、私の考えてること判っちゃった? 『あ、柊木ゆずです。よろしくお願いします』 ダメだ。心臓が飛び出してきそう。
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